騙された
『ダン・S・ケネディの世界一ずる賢い価格戦略』ダン・S・ケネディ、ジェイソン・マーズ より
皮肉なことに、値引きをすると常連客の満足度を落としてしまうことがあります。「なぜ安くなったのだろう?」ーーー値下げされた商品を見て、常連客はまずこう思います。そして「私は値引きなしで買ったのに・・・」と言う考えに行きつきます。
買い手が考えるのは「どうして私は同じものを安く手に入れることができなかったのか?」と言うことです。
商品を買ったのがつい最近のことであれば尚更、顧客は「騙された」と言う感情をいだいてしまいます。これは避けようがないことです。だからこそ売り手は値下げに関して、いつでも書いての納得のいく理由を用意しておかなければならないし、値下げに踏み切る際には揺るぎない判断基準が必要なのです。
顧客に疑いを持たれない方法
いい例が数量値引きです。この類の値引きは、売り手の気持ちを買い手に汲み取ってもらえます。「たくさん買えば安くなる」という思考に消費者は慣れ親しんでいるため、ほとんどの場合、買い手が疑いを抱いたり、不快な気持ちになったりすることなく、商品を安く売ることができます。
同じことは、早期特典や、まとめ買いにも当てはまります。早めに支払いをしてもらえれば売掛金の回収に困ることはないし、たくさん購入してもらえれば、取引の規模を拡大することができます。シーズンオフの商品を対象にしたセールであれば、「今だけ限定」という理由で、ネガティブなイメージをほとんど与えないですみます。
「こういう理由で安くなっています」という買い手の納得のいく理由を述べることができれば、価格にも、評判にも、そして店をひいきにしてくれているお客との関係にも、さほど影響はでません。
ちょとした違いで生まれる売上
このように、安易に値引きをするとクレームになりかねませんが、やり方次第で、クレームにならず売上をきちんと伸ばすことができますね。