農協の言い値で終わらせない。“伝える力”を手にした農家の選択。
農協に出荷したその夜、「また自分の言葉が消えてしまった」と感じた。
作るだけじゃ足りない。誰にも伝わらないまま流通していく現実に、心だけが置いていかれる。
そんな農家が、“伝える力”を手にしたとき、何が変わったのか。
農協に出したはずなのに、自分の手からすべてが離れていったような気がした
今年も、例年通りに農協に出荷を終えた。
作業はスムーズだったし、あとは任せておけば片付く。
けれど、帰り道。
積み終わったトラックを見送ったあと、胸の奥に残ったのは、妙な静けさだった。
「また、あの果物が“自分のもの”じゃなくなった気がする」
誰が買うのかも、どんな思いで食べてくれるのかも知らないまま、
あの味も、色も、手間ひまかけた想いも、ぜんぶ市場に吸い込まれていくようだった。
農協や業者に任せることの便利さは、わかっている。
でも同時に、“言い値”で決められ、“名もなき商品”として扱われることに、
ほんの少しずつ、自分の誇りが削れていくような感覚があった。
育てることには自信がある。
でも、伝えることになると急に自分が小さくなる。
「このままでいいのか?」と、湯船の中でつぶやいた言葉だけが、しばらく消えなかった。
任せることで守れたものと、失っていたもの
農協に任せれば、流通も手間も一気に片付く。
ふるさと納税の出品も、決められたフォーマットに従えば、それなりに整ったページができあがる。
卸業者と契約すれば、収穫分はきれいにさばけていく。
確かに、効率はいい。
でもその分、「伝える」ことからどんどん遠ざかっていった気がするんです。
どれだけ手間をかけても、味に自信があっても——
値段は自分で決められない。
誰が買ってくれたのかもわからない。
「おいしかった」「また買いたい」といった声が届くことも、ほとんどない。
出荷したはずなのに、売れた実感がない。
作ったはずなのに、「ありがとう」と言われる機会がない。
名前も、想いも、背景も。
どれだけ込めたかなんて、伝わるすべがないまま、“商品”として市場に流れていくだけ。
そのとき、ふと思ったんです。
自分が“誰かの仕事の一部”になっているだけなんじゃないかって。
売上は立っても、何かが足りない。
その“足りなさ”の正体に、気づいてしまった瞬間でした。
伝えたい気持ちは、ずっとあった。でも「手段」がなかっただけだった
あるとき、娘がスマホで作ってくれた小さなページがありました。
特別なものじゃありません。写真が数枚と、短い紹介文がついているだけ。
けれど、そこに一通のメッセージが届いたんです。
「この桃、注文できますか?」
思わず画面を何度も見返しました。
嬉しさと驚き、それから不思議な安堵感のようなものがじんわり込み上げてきて——
その瞬間、気づいたんです。
「自分の言葉で、ちゃんと伝わったんだ」と。
今まで「伝えたい気持ちがないわけじゃなかった」。
でも、その気持ちを届ける“手段”を、持っていなかっただけだったんですよね。
作物にかけた時間や想いは、確かにあった。
けれど、それが誰かに届く形になっていなければ、ずっと“片道切符”のままだった。
売れないんじゃない。伝え方を知らなかっただけ。
ただそれだけのことに、こんなにも長い時間をかけていたのかと、自分でも驚きました。
“売る力”ではなく、“伝える仕組み”を持つという選択
「想いを伝えたい」。
そう感じても、いざ言葉にしようとすると、手が止まる。
ネットのことも、コピーのことも、構成なんて考えたことがない。
だからこそ、ずっと“任せるしかない”と思い込んでいました。
けれど、そんな自分にとって救いだったのが、
“たった1ページで伝える”という、設計されたLP(ネットページ)の存在でした。
これは単なるホームページや商品紹介ではありません。
誰に、何を、どう伝えるか——その順番や言葉選びが、すべて設計された“仕組み”です。
特に心強かったのは、
「自分で書けなくてもいい」「伝えたいことが漠然としていても大丈夫」
そう言って、こちらの話を丁寧に聞き取ってくれたことでした。
ヒアリングを通して、自分でも気づいていなかった本音や魅力を引き出してくれる。
だから、“うまく書けること”よりも、“素直に話せること”の方が大切だったんです。
このページは、まるで“言葉の代弁者”のようでした。
静かだけれど、確かに伝わる。
売り込まずとも、「この人から買いたい」と思ってもらえる導線が、そこにはありました。
売ることが苦手な人ほど、本当は“伝える力”を持つべきなのかもしれません。
売れているのに、報われない」——そんな思いがあるなら、話すことから始めてみませんか
「文章が苦手で…」
「ネットなんて、自分には無理だと思っていた」
そう言っていたのは、私だけではありませんでした。
でも、“伝えたい”という気持ちがあるなら、もう十分です。
言葉がうまく出てこなくても、考えがまとまっていなくても、まずは話すことから始められます。
このサービスは、あなたの言葉を一緒に掘り起こし、
誰に・何を・どんな順番で届ければ「伝わるか」を、一から設計してくれる仕組みです。
作物をつくるのはあなた。
その想いを“見える形”にして、きちんと伝えるのが、私の役割です。
現在は、構成から原稿、デザインまですべて一人で手がけているため、【月2件限定】の受付とさせていただいています。
今の段階では、無料のご相談からでも構いません。無理に売り込むことも一切ありません。
「自分の言葉で、ちゃんと伝えたい」
そう思ったときが、変わりはじめるときかもしれません。
ぜひ、気軽に話しかけてみてください。
